長期貸付金の仕訳

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◆長期貸付金の仕訳

◆長期貸付金の仕訳・勘定科目は?

 長期貸付金とは、決算日翌日から起算して1年を超えて返済される予定の金銭債権の事じゃ。

 これは、「金銭消費貸借契約及び準消費賃貸契約」に基づく金銭貸付の取引から生じた債権であり勘定科目としては長期貸付金として処理することになっておる。

 尚、1年という基準によって長期貸付金と短期貸付金を分別する区分は「1年基準」と呼ばれ会計の概念の原則となっておるのじゃよ。(※ワン・イヤールールも同意)

■長期貸付金の英語読み(会計用語)
Long-term loans receivable

◆長期貸付金の適用

 長期貸付金は前述したとおり決算の翌日から起算して1年を超える貸付金を処理するための勘定科目じゃ。

 例えば、親会社が子会社へ金銭を貸し付けた場合や、逆に子会社から親会社へ金銭を貸し付けた場合などは、多くのケースが短期債権として取り扱うことは少ないため長期貸付金科目を適用するじゃろう。

 また、役員や従業員に住宅資金を貸付する場合も長期住宅資金融資として使うケースが大半であるため長期貸付イン科目を適用するケースが多くなる。

 この他、取引先や関連会社への長期貸付金や長期手形貸付金、また役員への貸付金なども1年基準によって長期貸付金が適用となるのぉ。

主な長期貸付金の適用一覧
◆子会社への長期貸付金
◆親会社への長期貸付金
◆関連会社への長期貸付金
◆取引先への長期貸付金
◆役員への長期貸付金
◆従業員への長期貸付金
◆長期手形貸付金
◆長期住宅資金融資
◆短期貸付金に振替

◆決算書(財務諸表)における長期貸付金の表示科目

【決算書の表示区分】
損益計算書の勘定科目
PL(プロフィット&ロスステートメント)
貸借対照表の勘定科目
BS(バランス・シート)

 長期貸付金の仕訳は決算書(財務諸表)の中の貸借対照表に区分される勘定科目の一つです。

【勘定科目の区分】
資産
負債
純資産(資本)
収益
費用

 長期貸付金の勘定は「資産の部」に区分される勘定科目です。

◆長期貸付金の金利と利息の扱い

 役員や従業員に長期貸付を行う場合に注意しておくべきポイントとして金利と利息の設定の問題がある。

 これは、役員や従業員に対して安易に無利息で貸付を行うと、その貸付金は「利益供与」とみなされる可能性がある為じゃ。

 特に会社の実験を握る社長であれば、生活資金などに困窮し会社から無利息で資金を借りてしまおうなんて話もあり得ない話ではないのぉ。

 その為、長期貸付金に対してはしっかりと金利を設定した金銭消費貸借契約を締結し、会社側は役員や従業員から元金の返済の他に利息を受け取る必要があるという訳じゃ。

◆貸付金の利率設定の目安

 役員や従業員に貸付を行う際の利率の目安について確認しおくとしよう。

 前述したとおり、無利息やあまりにも低金利での従業員への資金の貸し付けは利益供与とみなされ給与として課税対象収入に分類される場合がある。

 その為、利率設定を行う訳になるのじゃが、利率を設定する際の目安として国税庁の特例基準割合を参照すると良い。

年度別特例基準割合
期間特例基準割合
平成14年1月1日から平成18年12月31日4.1%
平成19年1月1日から平成19年12月31日4.4%
平成20年1月1日から平成20年12月31日4.7%
平成21年1月1日から平成21年12月31日4.5%
平成22年1月1日から平成25年12月31日4.3%
平成26年1月1日から平成26年12月31日1.9%
平成27年1月1日以降1.8%

 利益供与とみなされないためには平成27年以降であれば1.8%以上の利率で貸し付けを行えばよい。

 仮に1.8%に満たない利率で貸付けを行った場合は、1.8%の利率と貸し付けている利率との差額が、給与として課税されることになるという訳じゃ。

 尚、長期貸付金に対する利息は「受取利息勘定」を用いて処理することになっておる。

◆長期貸付金の仕訳例

子会社への長期貸付金の仕訳例
子会社へ設備投資資金、及び運転資金として現金200万円を2年の返済予定で貸し付けつけた場合。
借方科目金額貸方科目金額
子会社長期貸付金2,000,000円現金2,000,000円

 子会社への運転資金や設備投資資金の貸し付けを行う場合は、「子会社長期貸付金」として区分表示するか、長期貸付金で行う場合は別途注記を行う必要があります。

役員への長期貸付金の仕訳例
役員へ住宅取得のための資金援助として400万円を4年の返済予定で貸し付けつけた。その際、振込手数料330円が発生した場合。
借方科目金額貸方科目金額
役員長期貸付金4,000,000円普通貯金4,000,000円
支払手数料330円普通貯金330円
従業員への長期貸付金の仕訳例
従業員へ住宅取得のための資金援助として現金100万円を3年の返済予定で貸し付けつけた場合。
借方科目金額貸方科目金額
従業員長期貸付金1,000,000円現金1,000,000円

 役員や従業員に対して住宅取得のための資金援助や融資を行う場合は、「役員長期貸付金」「従業員長期貸付金」として区分表示しその旨が解るように科目設定を行う必要があります。

長期貸付金を利息と合わせて回収した場合の仕訳例
役員に貸し付けていた長期借入金200万円と利息10万円が一括返済され普通貯金に振り込まれた場合。
借方科目金額貸方科目金額
普通貯金2,100,000円長期貸付金2,000,000円
受取利息100,000円

 長期貸付金の利息を受けた場合は「受取利息勘定」を用いて処理します。

1年以内に返済される短期貸付金が含まれる仕訳例
取引先に2,000万円を4年返済予定で貸し付けた。返済は4回の分割払いで行う契約とし自社の決算までに第一回目の返済が500万円ある場合。
借方科目金額貸方科目金額
短期貸付金5,000,000円普通貯金20,000,000円
長期貸付金15,000,000円--

 長期返済計画で貸し付けを行った場合であっても、分割払いなどで決算までに返済金額が確定している部分に関しては「ワン・イヤー・ルール」の原則に則り、帳簿上は短期借入金で処理し、残りの1年以上の返済部分を長期借入金として区分して計上する必要があります。

短期借入金へ振替する場合の仕訳例
決算を迎え、長期貸付金200万円の返済期限が1年以内となった為、短期貸付金へ振り替えた場合。
借方科目金額貸方科目金額
短期貸付金2,000,000円長期貸付金2,000,000円

 長期貸付金は返済期限が1年以内になったら「短期貸付金」へ振り替えるのが原則です。

 但し、金額が少額であり重要性が低いと判断される場合は振替を省略することも認められております。

 もし、判断に迷う場合は念のため振替処理を行っておくと良いでしょう。